アフターピルは不妊につながる?飲みすぎは将来妊娠しにくくなるのか解説

アフターピルは不妊につながる?
  • アフターピルは不妊につながる?
  • 飲みすぎると将来妊娠しにくくなる?

アフターピルは、避妊の失敗や避妊せず性行為をしたときの緊急避妊薬として用いられます。

望まない妊娠の可能性がありアフターピルの服用を考えたときに、将来妊娠しにくくなるなら服用は避けたいと考える方もいるでしょう。

実際は、アフターピルを服用して不妊になることはありません。

アフターピルの服用後はホルモンバランスの乱れで一時的に妊娠しにくくなる可能性があるものの、将来の不妊に影響はないとされています。

万が一、中絶することになった方が心身ともに負担が大きいので、望まない妊娠の可能性があるならアフターピルの服用を検討しましょう。

目次

アフターピルは不妊につながる?

アフターピルの服用で、将来の不妊になることはありません

アフターピルにはホルモンが入っていて、排卵の抑制や受精卵の着床を防ぐことで避妊に効果的です。

これらの妊娠しづらくなる作用は一時的なものなので、1週間で効果はなくなります。

アフターピル「レボノルゲストレル(LNG)」の効果の期間について、日本産科婦人科学会は以下の指針をまとめています。

LNGを卵胞期(排卵前)に使用することによって正常な排卵過程を障害することが明らかにされている。LH サージ前(卵胞サイズ 15mm未満)に LNG が投与されると、LH サージの消失や遅延が起こり、約 80%の女性ではその効果が5日以上続く。したがってLNG を排卵前に投与することによって、その後5~7 日間排卵が抑制され、その期間に女性の性器内に進入しているすべての精子が受精能力を失うことになる。

引用:緊急避妊法の適正使用に関する指針

レボノルゲストレルの服用で、5~7日間は排卵が抑制されますが、それ以降は妊娠の可能性があります。

あくまでアフターピルは一時的なホルモンバランスの変化なので、将来の妊娠に影響することはありません。

日本産科婦人科学会も、緊急時には医師の判断によるアフターピルの服用を推奨しており、大抵の女性にとって有効で安全な方法といわれています。

アフターピルで不妊になることを心配して服用せず、望まない妊娠から中絶を選ぶ方が身体や心への負担は大きいです。

中絶手術で不妊になる例も多くはないですが、子宮内膜のダメージや癒着によって、妊娠しづらくなるケースもあります。

望まない妊娠の可能性が少しでもあるなら、今すぐアフターピルの服用を検討しましょう。

アフターピルの飲みすぎはホルモンバランスが崩れる影響も

アフターピルの服用で、直接的に不妊になることはありません。

ただ、アフターピルの副作用や飲みすぎによって、体調不良を招いて妊娠しづらくなることは考えられます。

アフターピルの特徴について、確認しておきましょう。

アフターピルの副作用

アフターピルのレボノルゲストレルは1970年代から使用されている緊急避妊薬ですが、少なからず副作用が現れる場合があります。

レボノルゲストレルで起こりやすい副作用と確率は、以下のとおりです。

副作用確率
悪心23%
下腹部痛18%
頭痛17%
嘔吐6%
参考:緊急避妊法の適正使用に関する指針

アフターピルの服用で一番起こりやすい副作用は悪心(むかつき)の23%で、嘔吐する人も6%います。

他にも、下腹部痛や頭痛がみられるケースもありますが、いずれの副作用も24時間経つと治まるケースが多いです。

これらの副作用で精神的にダメージを負うことは少ないですが、性行為への嫌悪感につながる可能性もゼロではありません。

アフターピルの飲みすぎのリスク

アフターピルは緊急時の避妊として、医師や産婦人科でも使用が推奨されています。

ただ、あくまで緊急時に限った使用で、継続して服用すべきではありません。

アフターピルを飲むとホルモンバランスが大きく乱れるため、短期間で複数回の服用によって体調不良につながる可能性も。

直接的に不妊にはなりませんが、妊娠しやすい体には健康管理が重要です。

ピルで日常的に避妊をしたいなら、低用量ピルを飲み続けることも検討しましょう。

低用量ピルを適切に飲んでいる期間は妊娠しないため、避妊具なしで性行為をする可能性がある方におすすめです。

ホルモンの量もアフターピルより少ないため、一般的に副作用も起こりにくいと言われています。

「緊急」の避妊にはアフターピル

アフターピルは緊急避妊薬として、緊急時の服用が推奨されています。

性行為から72時間(または120時間)以内に服用することで、高い避妊効果を発揮します。

「周囲にバレたくない」「病院に行く時間がない」との悩みがある方には、オンライン診療がおすすめです。

ソクピル

「ソクピル」はアフターピルのオンライン診療で、待ち時間なしで診療が受けられます。

LINEで受付・問診をした後に診察が始まり、自宅のポストにアフターピルが届きます。

医師に相談できるため、不妊や将来の妊娠への影響が気になる方は確認しておくのもよいでしょう。

アフターピルは少しでも早く服用することで避妊効果が高まるので、望まない妊娠の可能性があるなら今すぐ相談することをおすすめします。

アフターピルを飲んだのに妊娠した場合も子供に影響が出た事例はない

アフターピルは性行為から72時間以内に服用することで、避妊効果が高まります。

ただ、アフターピルを飲んだのに妊娠したケースも少数ながらあります。

アフターピルを服用した場合、お腹の中の子供は大丈夫なのか心配になりますが、過去に胎児に影響が出た事例は報告されていません。

緊急避妊薬を服用したにもかかわらず妊娠してしまった場合に赤ちゃんに影響があります
か?
今まで知られている限りでは、生まれた赤ちゃんに異常があったということはありません。

引用:緊急避妊法の適正使用に関する指針

もし妊娠して出産することを選んだ場合も、子供に影響しないことは安心でしょう。

アフターピルと不妊に関するよくある質問

アフターピルと不妊に関するよくある質問に答えます。

アフターピルは月に2回飲んでもよい?

日本産婦人科学会は、「アフターピルを月に2回飲んでも避妊効果が得られる」と示しています。

1月経周期の中で 2 回以上 ECP を使用することがある。LNG-ECP を繰り返し投与することで月経周期が乱れる可能性があるが、仮に LH サージが起こる前であれば、複数回のUPSI に対して、LNG-ECP を繰り返し使用することは可能である。

引用:緊急避妊法の適正使用に関する指針

ただ、「繰り返し投与することで月経周期が乱れる可能性がある」と書かれており、アフターピルを継続的に飲むことは避けるべきです。

アフターピルを飲む前提とした性行為は行わず、緊急時が重なったときは医師に相談の上でアフターピルを服用しましょう。

アフターピルを飲んだ後、いつから性行為ができる?

アフターピルは服用から3週間以降に生理がくると、避妊に成功した確率が高いと分かります。

無防備な性行為を繰り返さないためにも、避妊の成功が分かってから次の性行為を行いましょう

どうしても性交渉を行う場合には、避妊具を用いて確実に避妊をすることが大切です。

外出ししたけれど我慢汁で妊娠する可能性はある?

我慢汁(カウパー液)に精子が混じると、外出し(膣外射精)でも妊娠する可能性は十分にあります。

避妊具を付けていない時間が一瞬でもあったなら、アフターピルを検討しましょう。

アフターピルは不妊につながるのかまとめ

アフターピルは不妊につながるのかまとめました。

  • アフターピルの服用で不妊につながることはない
  • 飲みすぎはホルモンバランスの乱れから体調不良になる可能性も
  • アフターピルは緊急避妊薬として適切に用いるべき

アフターピルの服用が直接不妊につながることはありません。

服用から24時間程度は吐き気などの副作用が出る方はいますが、人工妊娠中絶と比べると圧倒的に心身への負担が少ないです。

望まない妊娠の可能性があるなら、少しでも早くアフターピルを服用しましょう。

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